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空間としてのセンター

平成25年2月28日(木)
 ADR研修などにおいて「相談員・調停員としての調査士は図面(書類)をすぐに見ようとするな!」と言われますが、かなり的を射た言葉だと思います。調査士に限らず紛争当事者も事実や現状に頼る傾向に少なからずあると思います。法律に頼ろうとするのもその延長線上にあると考えています。更にそれらの上に自己の思いこみを投影するので、ますます問題の本質から遠のいていってしまう結果になる場合が多いと思います。紛争に限らず問題が起きると人は、一般に数字や図面(書類)または法律に頼ろうとします。そして自分の都合の良い解釈を試みます。
ハーバード流交渉術という書籍の中で「解決への糸口は事実の中から見つけだされるのではなく自分の心(頭)の中にある。」と言った主旨のことが書かれています。筆界特定や境界鑑定は非常に高度な事実の探求であることには間違いないのですが問題解決のひとつの方法であるといった点を念頭に置くことが大切だと思います。したがって相談あるいは調停の場面においても紛争当事者は自分自身の心の中を見つめることが非常に大切なのです。ところが私たち人間は、他人を見ることは出来ますが自分自身を見ることが出来ません。同様に自分の心を見つめるといったことが大の苦手です。苦手というより出来ないといった方がより性格なのかも知れません。
 「一番分かっているようで一番分からぬこの自分」(相田みつお)
センターの相談員・調停員はその意味では当事者の心を映し出す鏡の役目を担うことになるのだと思っています。「傾聴」とは、まさに役目の本質を表している言葉だと思います。
さて、場所(箱物)としての調査士会ADRセンターは全国に整備されたと考えることができます。しかしそれは場所としてのハード面の整備ができたということに過ぎません。非日常的な自由で保護された時間と空間を紛争当事者に提供すると言ったソフト面はこれからスタートしていくと言うのが現状であると思います。入江秀晃氏(九州大学准教授)士業ADRについて「宿泊客が来ると驚くホテル」と述べているように相当に厳しい現状であると思います。つまり、そもそもホテルとは何か、またホテルとはどのような時間と空間をお客様に提供する場なのか考えることなく開業してしまったホテルという建物(箱物)、そのことと調査士会ADRの実状は近いのではないかと入江氏は指摘しているのだと思います。
自主交渉援助型調停を行う非日常的で限定された空間をなかなかイメージできないことと思います。臨床心理学者の小野けい子氏(放送大学教授)によれば茶事を考えることで日本人的に理解できるのではないかと次のように述べておられます。時代背景は江戸時代を想定しているようです。
 「茶事はまず待合いで荷物や刀などを置き露地を通って外待合いへ歩んでいきます。さらにつくばいで手をまさしくつくばって洗い清め、にじりぐちから茶室に入ります。江戸時代、身分制度が厳然として存在した時代にもかかわらず身分や階級も無い密室としての茶室。そこでは清談が交わされそこで交わされた話は決して外には漏れることが無いと言うことを保証され保護された非日常的な自由で限定された空間だと言えると思います。(引用:臨床心理面接特論4講)」
 以上のことから、センターの内部で話されたことに対する秘密の厳守と外部からの干渉の排除が大変重要な要素となります。
 センターは、「傾聴」、「茶室のような空間のセンター」を提供することを実践しながら自主交渉援助型調停の理念をもって紛争当事者を支援していきたいと考えています。








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